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第二種電気工事士試験の配線図は、単線図と複線図の2種類が出題される。読み方を正しく理解すれば、筆記・技能の両方で得点源になる。この記事では、現場経験18年の電気工事士が配線図の読み方を具体的に解説する。
配線図とは何か|試験での出題範囲を把握する
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配線図とは、電気設備の接続状態を図で表したものだ。
第二種電気工事士の筆記試験では、全50問中10問が配線図問題として出題される。
配点は1問2点なので、合計20点分を占める。
合格点は60点(30問正解)なので、配線図を落とすと一気に不利になる。
試験で扱う配線図には2種類ある。
- 単線図(たんせんず):電路を1本の線で簡略化した図
- 複線図(ふくせんず):実際の配線を全て描いた図
筆記試験では単線図を読む問題が中心だ。
技能試験では単線図を見ながら複線図を自分で描き、施工する能力が問われる。
両方を理解しなければ、試験全体を突破できない。
試験の詳しいスケジュールや出題範囲は、電気技術者試験センター(公式)で最新情報を確認しておこう。
単線図の読み方|記号と意味を10個覚える
単線図では、電気設備の各部品を決まった図記号で表す。
試験に頻出する記号を10個まとめた。
試験頻出の単線図記号10選
| 記号 | 名称 | 役割 |
|---|---|---|
| ○ | 電灯(引掛シーリング) | 照明器具の接続口 |
| ● | スイッチ | 照明のON/OFF制御 |
| □ | コンセント | 電源の取り出し口 |
| ◎ | 露出型コンセント | 壁面外側に取り付けるコンセント |
| ⊕ | ランプレセプタクル | 電球の取り付け口 |
| S₃ | 3路スイッチ | 2か所から照明を操作 |
| S₄ | 4路スイッチ | 3か所以上から照明を操作 |
| ■ | 配線用遮断器(ブレーカー) | 過電流から回路を保護 |
| ▽ | 接地端子 | アース線の接続点 |
| JB | ジョイントボックス | 電線の接続・分岐点 |
これら10個を先に暗記すれば、単線図の大部分は読めるようになる。
記号の意味がわかれば、回路全体の流れが見えてくる。
単線図の数字が意味すること
単線図には数字や記号が線の近くに書かれることが多い。
主な表記と意味は以下のとおりだ。
- 「2」→ 2心ケーブル(電線が2本)
- 「3」→ 3心ケーブル(電線が3本)
- 「1.6」→ 電線の太さ(直径1.6mm)
- 「2.0」→ 電線の太さ(直径2.0mm)
- 「VVF」→ ビニール外装ケーブルの種類
この数字を読めると、どの電線を何本使うかが単線図だけで判断できる。
技能試験の材料選びにも直結する知識だ。
複線図の描き方|4ステップで完成させる
📖 参考書・テキスト
複線図は単線図をもとに、実際の電線の接続を全て書き出した図だ。
技能試験では、試験開始直後に複線図を描いてから施工に入るのが鉄則だ。
複線図を正確に描けると、施工ミスが大幅に減る。
18年の経験から言うと、技能試験で不合格になる受験者の多くは複線図を省略するか、誤って描いたまま施工している。複線図に2〜3分かけるだけで、完成度が格段に上がる。
ステップ1:電源線を描く
まず電源から2本の線を描く。
非接地側(黒線)と接地側(白線)だ。
黒線は「L(Live)」、白線は「N(Neutral)」と覚えるとわかりやすい。
ステップ2:接地側(白線)を器具に接続する
白線はコンセントと照明器具に直接つなぐ。
スイッチには接続しない。これが最重要ルールだ。
白線はスイッチを経由させてはいけない。
ステップ3:非接地側(黒線)をスイッチとコンセントに接続する
黒線はスイッチとコンセントの片方につなぐ。
スイッチを経由した先の線(スイッチの「帰り線」)が照明器具につながる。
この帰り線の色は赤または黒を使う。
ステップ4:接続点を確認して完成
全ての接続が正しく描けているか確認する。
チェックポイントは以下の3点だ。
- 白線がスイッチを通っていないか
- コンセントに黒・白の両方がつながっているか
- 照明にスイッチの帰り線と白線がつながっているか
この4ステップを繰り返し練習すれば、複線図は5分以内に描けるようになる。
学習アプリを活用すると反復練習が効率的にできる。第二種電気工事士の学習に使えるアプリ|無料・有料のおすすめ5選を参考にしてほしい。
3路スイッチの複線図|試験最頻出パターンを攻略する
3路スイッチは筆記・技能の両試験で毎年必ず出題される。
理解できていない受験者が最も多い箇所でもある。
3路スイッチの構造を理解する
3路スイッチには端子が3つある(0・1・3の番号で区別)。
2個の3路スイッチを使って、1つの照明を2か所から操作する回路だ。
階段の上下やトイレの出入口に使われる。
接続のルールは以下のとおりだ。
- 端子「0」:電源側(黒線またはスイッチ帰り線)
- 端子「1」と「3」:2つのスイッチを渡り線でつなぐ(どちらも可)
- 2つのスイッチの「0」端子が照明側と電源側にそれぞれつながる
実際に私が現場で新人に教えるときは、「0番から電源が入って、0番から出る」と覚えさせている。この一言で理解が早まった新人が20人以上いた。
4路スイッチが加わるパターン
3か所以上から照明を操作する場合、3路スイッチの間に4路スイッチを追加する。
4路スイッチの端子は4つ(1・2・3・4)だ。
1と3が入力、2と4が出力として接続する。
3路→4路→3路の順番に並ぶのが基本構成だ。
4路スイッチは筆記試験の選択問題で「正しい配線はどれか」という形で出やすい。
複線図を正確に描く練習が、そのまま筆記対策になる。
筆記試験の配線図問題|出題パターンと対策
筆記試験の配線図問題は、同一の配線図に対して10問が連続出題される形式だ。
図を正確に読めば10問を効率よく解ける。
問題のパターンは毎年ほぼ固定されている。
頻出パターン6種類
- 電線の本数を答える問題(「ボックス内の接続電線数は?」)
- 使用する電線の種類を答える問題(VVF・VVRなど)
- 器具の名称を答える問題(記号から名称を選ぶ)
- コンセントの種類を答える問題(アース付き・防水型など)
- リングスリーブの種類・個数を答える問題
- 回路に流れる電流値を計算する問題
このうち特に注意が必要なのが「リングスリーブの種類と個数」だ。
電線の本数と太さによって、小・中・大のどれを使うかが決まる。
技能試験にも直結するため、必ず暗記しておく。
リングスリーブ選定の基本ルール
- 1.6mm × 2本:小スリーブ(○刻印)
- 1.6mm × 3〜4本 または 1.6mm+2.0mm × 2本:小スリーブ(小刻印)
- 2.0mm × 2〜3本 または 1.6mm × 5〜6本:中スリーブ(中刻印)
過去問を繰り返し解くことが最も効果的な対策だ。
2026年試験対策|第二種電気工事士の過去問分析と合格体験談【現役電工が解説】も参考にしてほしい。
技能試験での複線図活用法|時間配分と書くスピード
技能試験の制限時間は40分だ。
複線図を描く時間は3〜5分が目安になる。
残り35分で施工を完成させる計算だ。
複線図を速く正確に描くコツ
- 問題用紙の余白(A4サイズ)に鉛筆で描く
- 電線の色を「黒・白・赤」で色分けする(色鉛筆不要・記号で代用)
- 接続点には〇印を必ずつける
- スイッチと照明の対応を矢印で結んでから複線図に落とす
技能試験は全13課題が公表されている。
全課題の複線図を事前に描いて暗記してしまえば、試験当日は確認作業になる。
1課題あたり3回描けば体が覚える。合計39回の練習が目標だ。
試験全体の概要や日程については、第二種電気工事士試験の概要2026年版|筆記・技能の合格基準と日程で確認できる。
配線図の勉強法|最短ルートで理解する3週間プラン
配線図は丸暗記より「理解して描く」練習が効果的だ。
以下の3週間プランで基礎から実践力まで身につけられる。
1週目:記号と基本回路を覚える
- 単線図の記号10個を1日で暗記
- 最もシンプルな回路(電源→スイッチ→照明)の複線図を毎日5回描く
- 白線のルールを徹底的に体に染み込ませる
2週目:3路スイッチとコンセントを加える
- 3路スイッチの複線図を毎日5回描く
- コンセント付き回路の複線図を組み合わせて練習
- 筆記試験の配線図問題(過去5年分)を解く
3週目:技能試験の公表課題全13問を攻略
- 公表課題の単線図から複線図を毎日2〜3課題描く
- 3分以内に描けるよう時間を計る
- 間違えた課題は翌日も繰り返す
この3週間で、配線図の読み方と描き方の基礎は完成する。
あとは過去問演習と技能練習を並行させれば、合格ラインに届く。
よくある質問(FAQ)
Q. 単線図と複線図はどちらを先に勉強すべきですか?
A. 単線図から始めるべきだ。単線図の記号と意味を理解していないと、複線図に落とし込めない。まず記号10個を暗記し、次に複線図の描き方を学ぶ順番が効率的だ。
Q. 配線図問題が苦手で毎回半分しか取れません。何が問題ですか?
A. 最も多いのは「図記号の暗記不足」と「白線のルールの理解不足」だ。白線はスイッチを通さない、というルールを体で覚えるまで複線図を描く練習を繰り返すことが解決策になる。過去問5年分を3周すれば、8割以上正解できるようになるケースが多い。
Q. 技能試験で複線図を描く時間はどれくらい取るべきですか?
A. 3〜5分が目安だ。40分の試験時間のうち、複線図に5分以上かけると施工が間に合わなくなる。事前に全13課題の複線図を繰り返し描いて、3分以内に仕上げられるレベルにしておくことが重要だ。
Q. 3路スイッチの配線が毎回わからなくなります。覚えるコツはありますか?
A. 「0番端子は電源出入り口」と覚えると整理しやすい。電源側の0番から黒線が来て、照明側の0番から帰り線が出る。1・3番端子は2つのスイッチを渡り線でつなぐだけだ。この構造を図に書きながら声に出して繰り返すと定着が早い。
Q. 配線図の勉強は参考書とアプリのどちらが効果的ですか?
A. 両方を組み合わせるのが最も効果的だ。参考書は複線図の描き方を体系的に学ぶのに向いており、アプリは隙間時間に記号の暗記や過去問演習ができる。特に通勤・通学中のアプリ活用で、1日15分の積み重ねが合格を引き寄せる。
✍️ 著者プロフィール
電気工事士歴18年。大阪を中心に年間200件以上の電気工事を担当。第一種電気工事士・認定電気工事従事者の資格保有。現場で得た実体験をもとに、電気工事に関する情報を発信しています。