第二種電気工事士の合格率は筆記試験で約60%、技能試験で約70%が目安だ。両方の通過率を踏まえると、最終合格率は約40〜45%に落ち着く。この記事では直近10年の推移データを具体的な数字で解説する。
第二種電気工事士の合格率【最新データ2026年版】
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試験を実施しているのは一般財団法人電気技術者試験センターだ。年2回(上期・下期)実施される。まず直近の合格率を確認しよう。
筆記試験の合格率(直近5年)
| 実施年 | 上期 受験者数 | 上期 合格率 | 下期 受験者数 | 下期 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 2019年 | 64,443人 | 65.9% | 56,403人 | 59.0% |
| 2020年 | 中止 | — | 61,561人 | 52.5% |
| 2021年 | 75,546人 | 62.1% | 73,993人 | 58.7% |
| 2022年 | 82,486人 | 58.9% | 75,771人 | 56.0% |
| 2023年 | 86,418人 | 61.4% | 78,299人 | 55.3% |
筆記試験の合格率は55〜66%の範囲で推移している。上期のほうが下期よりやや高い傾向がある。受験者数は2021年以降、毎年増加しており、電気工事士の需要拡大が背景にある。
技能試験の合格率(直近5年)
| 実施年 | 上期 受験者数 | 上期 合格率 | 下期 受験者数 | 下期 合格率 |
|---|---|---|---|---|
| 2019年 | 51,565人 | 72.1% | 43,989人 | 71.0% |
| 2020年 | 中止 | — | 46,808人 | 74.0% |
| 2021年 | 58,027人 | 68.3% | 57,929人 | 66.7% |
| 2022年 | 65,501人 | 71.3% | 59,424人 | 70.3% |
| 2023年 | 67,504人 | 73.4% | 62,137人 | 70.9% |
技能試験の合格率は66〜74%の範囲で安定している。筆記試験より高い合格率だ。ただし技能は「不合格=欠陥作業」という明確な基準があるため、油断は禁物だ。
10年間の合格率推移から見えるトレンド
2014〜2023年の長期トレンド
過去10年の数字をざっくりまとめると次の通りだ。
- 2014年:筆記61.4% / 技能70.5%
- 2015年:筆記62.7% / 技能73.4%
- 2016年:筆記58.8% / 技能71.1%
- 2017年:筆記60.8% / 技能69.6%
- 2018年:筆記63.4% / 技能67.7%
- 2019年:筆記62.9% / 技能71.6%(上下平均)
- 2020年:筆記52.5% / 技能74.0%(コロナで上期中止)
- 2021年:筆記60.4% / 技能67.5%(上下平均)
- 2022年:筆記57.5% / 技能70.8%(上下平均)
- 2023年:筆記58.4% / 技能72.2%(上下平均)
10年間を通じて、筆記は55〜65%前後、技能は67〜74%前後の範囲に収まっている。大きな変動はない。試験の難易度が安定している証拠だ。
2020年のコロナ影響で何が起きたか
2020年は上期筆記試験が中止となった。下期に受験者が集中し、下期の筆記合格率は52.5%まで低下した。これは10年間で最低水準だ。技能試験は74.0%と逆に高めだった。中止の影響で真剣に対策した受験者が多かったとみられる。
受験者数の増加が示す市場の変化
📖 参考書・テキスト
受験者数は右肩上がりで増加中
2014年の上期受験者数は約57,000人だった。2023年の上期は約86,000人。約9年で1.5倍以上**に膨らんだ。背景には次の要因がある。
- 太陽光・蓄電池の普及で電気工事の需要増
- EV(電気自動車)充電設備の設置義務化の動き
- 建設・電気業界の人手不足による資格取得奨励
- 副業・転職目的での受験者増加
受験者が増えても合格率は大きく変わっていない。つまり試験の絶対評価が維持されていることを意味する。しっかり対策すれば合格できる試験だ。
筆記と技能で合格率が違う理由
筆記が難しく感じられる3つの理由
筆記の合格率は技能より10〜15ポイント低い。理由は明確だ。
1. 計算問題が出る。電気理論の計算が苦手な受験者が多い。オームの法則・合成抵抗・電力計算など、公式の暗記だけでは解けない問題が複数出る。
2. 範囲が広い。電気理論・配線設計・法令・鑑別と幅広い。全部を網羅しようとして時間切れになる受験者が多い。
3. 合格基準が60点以上。50問中30問以上の正解が必要だ。苦手分野を捨てすぎると届かない。
技能の合格率が高い理由
技能試験の合格率は約70%と高い。理由は次の通りだ。
1. 問題が事前公表される。候補問題が13問公表される。その中から1問が出る。つまり出題範囲が限定されている。
2. 練習量がそのまま合否に直結する。繰り返し練習すれば時間内に完成できるようになる。
3. 筆記を突破した人だけが受験する。ある程度意欲・能力のある受験者が集まっている。
合格率データから逆算する最短合格戦略
筆記の対策:過去問10年分が最短ルート
筆記の合格率は約58〜62%だ。逆に言えば4割の受験者が落ちている。落ちる人の共通点は「過去問をやり込んでいない」ことだ。
- 過去10年分の問題を3周する
- 計算問題は捨てず最低限の公式を覚える
- 法令・鑑別は得点源として完璧にする
- 模擬試験で時間配分を体に覚えさせる
学習時間の目安は60〜100時間だ。毎日1時間なら2〜3ヶ月で到達できる。
技能の対策:工具と材料を早めに揃える
技能合格率は約70%だが、不合格者の多くは練習不足だ。
- 候補問題13問を最低2周は完成させる
- 施工時間は40分以内を目標にする(試験時間は40分)
- 欠陥の種類を暗記し、自己チェックを徹底する
- 電線・器具のセットを購入して本番同様の練習をする
技能試験の練習材料セットは市販されている。価格は7,000〜15,000円前後が相場だ。合格後の収入増を考えれば十分な投資額だ。
上期と下期どちらを選ぶべきか
合格率データで比較すると上期が有利
データを見ると、上期の筆記合格率は下期より平均3〜5ポイント高い。受験者の絞り込みが理由だ。下期は「上期で落ちた人」が多く混在し、全体の合格率が下がる。
| 比較項目 | 上期(5月〜7月) | 下期(10月〜12月) |
|---|---|---|
| 筆記合格率平均 | 約61% | 約57% |
| 技能合格率平均 | 約71% | 約70% |
| 受験者層 | 初回受験者多め | リベンジ組が多め |
初めて受験するなら上期をメインで狙うのが正解だ。落ちた場合の保険として同年の下期も視野に入れる戦略が効率的だ。
合格率まとめ|2026年試験に向けた数字の整理
- 筆記試験の合格率:55〜65%前後(10年間の平均約60%)
- 技能試験の合格率:67〜74%前後(10年間の平均約71%)
- 筆記+技能の通算合格率:約40〜45%
- 受験者数:毎年増加中、2023年上期は約86,000人
- 上期のほうが下期より筆記合格率が約3〜5ポイント高い
- 2020年コロナ禍の下期筆記は52.5%(10年間の最低水準)
合格率は安定している。対策次第で十分に合格できる試験だ。2026年の試験も同様の水準になる可能性が高い。早めに過去問・技能練習を始めた人が有利だ。